ハイジュールネット(高エネルギー吸収型落石防止柵)

ハイジュールネットは、
- 1. 支柱間隔5mにおいて、所定の落石エネルギーの吸収が可能であること。
- 2. 国内の基準に準拠した有効柵高で、所定の落石エネルギーの吸収が可能であること。
- 3. ネットの部分補修が可能であり、かつその部分補修により所定の機能が回復できること。
以上3点を開発目標に掲げ開発された高エネルギー吸収型落石防止柵工法で、その技術は日本のみならず世界各国で広く使用されています。
特 長
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1本のワイヤロープを特殊な手順で格子状に形成し、ワイヤロープの交点をクリップ金具で、しっかりと締結したケーブルネットを使用しています。
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ブレーキエレメント(緩衝材)が、大きな落石エネルギーをしっかりと吸収します。
250kJ~3000kJまで、スイスのWSL(スイス連邦研究所自然災害部)の元で行われる実証試験で認証されています。 -
地盤の状況に応じ、アンカー材を選択致します。
ケーブルアンカー、ゲビンデスターブは実験データを基にして、計算により定着長を定めます。 -
一度落石を受けても、現地にて簡易な補修で機能を回復いたします。
不具合のネットを全面取り替えには及びません。 -
日本国内の地形にあった仕様で、落石条件に応じた柵高、支柱間隔を選ぶことが出来ます。
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支柱の固定部は、ピン構造となっており、支柱に直接落石が衝突してもピンボルトがせん断し、システムを維持する柔構造になっています。
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斜面上では、大がかりな基礎を必要としません。
樹木の伐採も最小限にとどめ、現状を変えることなく設置することが出来、周辺環境と同化します。 -
設置場所の地形も地質も制限を受けることなく設置が可能です。
落石エネルギーに応じたタイプが選べます
従来の待ち受け型落石防止柵が有している吸収エネルギーは最大で100kJ前後で、それ以上大きなエネルギーに対しては落石防護擁壁(コンクリート連続擁壁)で対応していましたが、ハイジュールネットは落石防止柵での下記吸収エネルギーを有しています。
吸収エネルギー (kJ) |
型式 | 有効棚高 (H) |
ネットの寸法 |
---|---|---|---|
250 | HJN-250 | 3.0m~4.0m | 300×300×(9/10) |
500 | HJN-500 | 3.0m~5.0m | 200×200×(9/10) |
1000 | HJN-1000 | 3.0m~6.0m | 200×200×(9/10) |
1500 | HJN-1500 | 3.0m~6.0m | 150×150×(9/10) |
2000 | HJN-2000 | 4.0m~7.0m | 140×140×(10/12) |
3000 | HJN-3000 | 4.0m~7.0m | 140×140×(10/12) |
※3000kJとは、9.6tの重錘を32.0m上方から自然落下させた時に発生するエネルギーです。
(9.6×32.0×9.8=3011J → 丸めて3000kJ)
例)防止柵の可能吸収エネルギー1000kJの場合
エネルギー吸収システム
大規模な落石エネルギーについて、特殊なブレーキエレメントを緩衝装置としてアンカーとケーブル間、またはケーブル間同士に配置し、その落石を柔軟性に富んだ構造で包み込むようにしてエネルギーを吸収します。
ケーブルネット
ブレーキエレメント
二重平行ケーブル
支柱のベースプレート部
支柱の頭部
施工例
防災製品 カタログ